皆様、土地家屋調査士という国家資格をご存じでしょうか?土地家屋調査士とは、不動産の登記簿(登記記録)の「表題部」の新設、変更・更正、閉鎖等の代理申請を行う土地建物の表示登記の専門家です。
土地の境界線を日常的に取り扱う土地家屋調査士によく聞かれる質問です。大きく2つに分けてお話しします。
①小さな差 (例)登記簿200㎡の土地を実測したら198.80㎡だった
②大きな差 (例)登記簿200㎡の土地を実測したら180.00㎡または300.00㎡だった
今回は②のお話をします。(前回は①のお話しをしました)
まず、ご自身の土地が誤差の大きな地域かどうか、
また正確な図面が存在しているかをご確認下さい。
右図は法務局備え付け「地図に準ずる図面」
(公図)ですが、❍の部分に「旧土地台帳付属地図」
と書かれていれば、比較的精度が低い
図面の地域と言えます。
なぜなら、古くは明治時代の地租改正事業で
測量された図面が元となっているからです。
土地台帳付属地図は昭和35年の法改正で
登記簿と土地台帳が一元化されるまで
使用されていたものです。
一元化以降全国で境界、面積を正確に確定させる
国土調査(地籍調査)が現在でも進められていますが、
都市部では権利関係が複雑な為、郊外に比べ
調査が進んでいないのが現状です。
また、おおよそ平成以降作成の「地積測量図」
(ご自身の土地が求積されたもの)が存在すれば比較的精度が高い図面のある土地と言えます。「旧土地台帳付属地図と書かれた地図に準ずる図面」かつ「地積測量図」がない土地は大きな誤差を含んでいる可能性があります。